コーチが話す言葉、気をつけていますか?
子どもの前ではより丁寧に。
年齢に合った練習メニューは日頃から心掛けていると思いますが、年齢に合った「話し方」はどうでしょうか?
稀にですが、ひどい言葉使いで子どもを叱ったり、指導したりしている方を見かけます。コーチは技術を教えるだけでなく、振る舞いやコミュニケーションの取り方の見本となるようにしましょう。
コーチ同士の会話は油断しがちです。
「おい、このマーカーずれてんぞ!」
「そうじゃねーよ、次はメニュー変えるって言っただろ!」
コーチ同士の会話であっても子どもたちは常に聞いていますし、その内容からコーチのパワーバランスも知らずのうちに読み取ってしまいます。
その説明、伝わっていますか?
低学年の指導のときによく起こるのですが、普段何気なく使っている言葉でも子どもにとっては理解が難しい言葉があります。
「ノーバンでキャッチしよう!」
→「ボールが地面に落ちる前にキャッチしよう!」
→「ボールが地面に落ちる前に、ボールを取ろう!」
と、徐々に言葉をかみ砕く作業が必要になります。
説明をしながら子どもたちの様子を見て、分かりにくそうな言葉があれば易しい言い方に変えましょう。さらにコーチ同士で伝わらなかった言葉を共有できれば完璧です。次の指導で、この年齢のグループにはこういう言い方をしよう、となるわけです。
子どもから「ノーバンって何?」とすぐに聞き返してくれたら、日頃からコーチとの信頼関係ができている証拠。そういった現場ではよりスムーズに練習が進みます。一方、日頃から高圧的なコーチは、子どもからの「分からない」という意思表示が得られないため、伝えたつもりでも伝わっていない。→余計に叱る。→子どもが委縮し、分かっていない事を伝えられない。という悪循環に陥ってしまいます。
言葉はエスカレートする?
「おい、早く集まれ!」と、怒鳴るように指導すると、子どもはびっくりしてその場では良く伝わったかのように動きます。しかし、これは続きません。強い言葉を使うコーチは、常に強い言葉使いをしないと指導が通らなくなり、もっと言葉が強くなっていきます。チーム内ではその指導方法が普通でも、外から見た人には異様に厳しく見える現場があるのはそのためです。
子どもに限らず、人は「慣れよう」とする習慣があるため、怒鳴られても慣れてしまいます。本当に怒鳴る必要があるのは危険が迫っているときです。ボールが頭に当たりそうなときに「危ない!」「こっちに来い!」など、いざという時は怒鳴ることが必要です。本当に必要な時のために、いつもは冷静に指導しましょう。
ときどき言葉を使って楽しみましょう!
時には子どもと一緒に楽しく話をする、遊ぶということは大切です。「お前―!」とふざけて追いかけたり、「おいおいおい!」と叫んでみたり、普段子ども同士で使っている言葉を使うと、子どもとの距離が一気に縮まるのを感じることができるでしょう。
でも悪乗りはダメ。ふざけた言葉使いは楽しいですがコーチという立場を忘れずに。
コーチって難しいですね。