言い出しやすい環境を作りましょう。
トイレに、水に、疲れた・・・。
子どもたちはコーチにたくさんの要求をしてきます。「コーチは大変だ・・・。」見る方によってはそう思われるでしょう。しかし、このたくさんの要求はとても大切なのです。
クラブによって指導の方法は様々だと思いますが、トイレに行きたい、水が飲みたい、疲れた。などの子どもたちからのリクエストには極力答えるようにしましょう。トイレを我慢していては良いプレーができませんし、体調が悪い日もあるでしょう。
コーチに要求があるということは、子どもたちがコーチに言いたいことを言える環境であり、良い事としてとらえましょう。
ときに指導も必要。バランスが大切です。
一方で練習の前にトイレに行ったり、水を飲んだりする習慣をつけておくのもとても大切です。途中でトイレに行ったり、水を飲みに行くとみんなが行う練習に参加できなくなってしまうので、子どもたちには事前に済ませておくように伝えましょう。
また、水を欲しがる子が出ると次々に「僕も私も」という状況にもなりかねません。その際は「あと○○分」や「あと○○回」など次の休憩に入るタイミングを伝えて、それまでは練習に集中するように促しましょう。
言い方には注意が必要です。みんなの前でトイレに行きたいと言った子どもに対して、「だから言っただろ、我慢しなさい。」や「なんだ、トイレか?何回行くんだ?」など、子どもの自尊心を傷つける言動は慎みましょう。トイレに行きたいと言い出すのは少し恥ずかしい。それは大人のコーチにも十分に分かるはずです。
「言えなった。」では済まされない。
夏の暑い時期、熱中症はスポーツの指導者ならば常に意識をしていると思います。熱中症対策は様々あり、その場の対応だけでなく、前日までの水分補給や体調管理など、コーチが現場のみでは対応できない対策もあります。日陰を用意して、練習時間を調整して、帽子をかぶって、水分補給をこまめに行って、、、。それでも体調が悪くなってしまう場合もあります。
そこで、とても大切なのが、体調が悪いことをコーチに伝える雰囲気になっているかなのです。日頃から子どもたちの要求に聞く耳を持つのはこのような重大事故を防ぐためと言っても過言ではありません。
「ちょっといつもと体の様子が変。」と思った子が、躊躇せずにコーチに伝える環境にしましょう。また、他の子が調子悪そうにしていたら、「○○さん、○○君が変だよ。」と他の子からも伝えてもらえる雰囲気が作れていたら、熱中症のリスクは低くなります。
「言い出せるクラブ」でもっと楽しく安全に!
この「言い出しやすい」雰囲気は他のコーチにもいい影響を及ぼします。コーチの間で、練習中により良い提案を出す、子どもの様子を常に観察して異変を他のコーチに伝えるということが習慣となります。
コーチがお互いに提案すると指導の内容も向上しますし、子どものちょっとした体調の変化や、子どもの言動もコーチ同士で共有しやすくなります。
この夏は、クラブでの「言い出しやすさ」を点検してみませんか?